リアガラスの型取り
カーフィルム貼りでも特に難しいリアガラスの貼り方です。型取りからスタートします。
リアガラスがなぜ難しいのか。
それは、ガラス自体が三次曲面になっていて、カーフィルムを貼ると、しわが出てしまうことです。 丸いボールにビニールをしわ無しで貼ることができないのと同じです。
カーフィルム貼りのプロは、こういったガラスでもフィルムを熱処理することで1枚で貼ることを可能にしています。 しかし、こういった技術には、熟練の技が必要ですし、専用の道具類も必要になってきますので、一般の方には不向きな貼り方です。
他にも、熱線に沿ってフィルムを重ね合わせる貼り方もありますが、ここでは、一番簡単な短冊貼りという貼り方を説明します。
サイズ計測
窓ガラスの一番長い幅部分(通常なら窓ガラス下側が長い)を測ります。
ガラス幅より1割程度大きく、高さを統一したフィルムを切り出していきます。 幅が120cmの場合、130cm×15cmまたは130cm×20cmというように、ガラス幅×高さ(ガラスの高さ÷3~4)cmの大きさにします。
分割する枚数を考える
フィルムを何分割にするかは、リアガラスの三次曲面のきつさにより変わってきます。
曲面がきついガラスの場合、枚数が増やすことで、しわが出にくくなります。 しかし、枚数が多いほど貼る手間が増えます。
ガラスの三次曲面の判断方法は、ガラスに写る景色のゆがみ方を見て判断するか、 カット前のフィルムをリアガラスに仮止めしてみて、どれくらいしわが出るかを見ます。
参考までに高さが50~60cmのガラスなら3枚、60cm以上なら4枚程度がちょうどいいと思います。
型取り開始
測ったサイズ通りにフィルムのカットが済んだら、カットしたフィルムをガラスに仮止めします。 仮止め時にしわがあるかないか確認しましょう。 もししわが出ていても、横方向のしわなら、貼り付け後に消すことができますが、 縦方向にしわが出ている場合は、カットしたフィルムの高さが大きすぎるということです。 フィルムをもう少し小さくカットして下さい。
フィルムの仮止めが終わったら、ガラスの黒縁部分の外側2~3mm程度の場所にダマートグラフで線を引いていきます。 線を引く場所は、ガラス左右の境目と上部境目だけです。下部は線を引く必要はありません。
1枚目の型取りが終わったら、2枚目のフィルムを仮止めします。 このとき、2枚目のフィルムは、1枚目の下部に1mm程度重なるようにフィルムを貼り付けます。 ガラスの中心に位置するフィルムは、ガラス左右の境目のみ線引きします。 ガラス左右に熱線の金具等がある場合は、その部分にフィルムは貼れませんので、避けて型取りするようにしましょう。
3枚目・4枚目も同様に仮止め後、線を引いていきます。図の場合4枚目が一番下のフィルムになるので、ガラス下部の黒縁との境目にラインを引いています。
全てのフィルムに線を引いたら、最後にそれぞれのフィルムがどこに位置するフィルムなのかわかるように、上から番号を振っておきます。
番号を振り終えたら、ガラスから1枚ずつ丁寧にフィルムをはがし、書いた線通りにフィルムをカットして、型取りの終了です。